キャンプ教室で食中毒?! 

「キャンプ教室で食中毒」 
2005年7月、大分県。キャンプ教室に参加した高校生265人が、キャンプ村の飲用水が原因で食中毒。飲用水から腸管病原性大腸菌が検出され、発症者から同じ菌が見つかった。

【どうして食中毒に?】
 飲み水、食品に菌がついているのに気づかず、口に入れてしまうことが殆どの原因です。
食中毒の90~95%は細菌性食中毒ですが、原因菌としては腸炎ビブリオ菌が半数を占めています。ほかにはブドウ球菌、サルモネラ菌などが一般的ですが、1996年に病原性大腸菌O157による患者が年間に9,451人(うち死者12人)が発症しています。

【予防のポイント】
食中毒の予防で最も大切なことは、“いかにして菌が口の中に入るのを防ぐか”につきます。
① 菌をつけない
細菌は、調理する人や食材、調理器具、ハエなどに付着して侵入します。
・下痢の症状や手指に傷があるときなどは調理しない。
・手をよく洗う、食中毒予防の基本です。
 調理前、生肉・生魚などをさわったとき・食事前、トイレ後等
・まな板、包丁などの調理器具は、使った後すぐに洗剤で洗い流水 で十分にすすぎ、よく乾燥させる。
・キャンプ場の水が、沢の水なのか、湧き水なのか、水道なのか、  使用する前に確認する。
 水道水を使用できないときは必ず煮沸させて使うようにしましょう。
・魚介類、野菜など調理のときは真水でよく洗う
・“おにぎり”が食中毒の原因になることがある。
 手にケガをしている人がにぎると菌が“おにぎり”の中で繁殖し
 食中毒の原因になります。ラップに包んでにぎるのが予防になり
 ます。
・要冷蔵、要冷凍の食品は、保冷バック、クーラーバック、
 クーラーボックスなどに入れ、調理の直前まで入れておくようにし
 ましょう。ただし、過信は禁物です。

② 菌を増やさない
細菌は、時間が経つほど増殖します。食材購入から調理、調理から食事までの時間が長くなるほど、食中毒のリスクが高くなるので気をつけましょう
・新鮮な食材は新鮮なうちに調理し、できた料理は時間を置かずにすぐに食べるようにしましょう。
・料理はつくり置きしないで、一回で食べきるようにする。
・食材を日の当たるところや車内など、暑くなる場所には置かない。
・肉や魚を扱うときは、まな板や包丁はこまめに洗うか別の器具を使う。
特に、木製のまな板は傷つきやすく、水分も吸収しやすいので菌が増殖しやすいので注意が必要です。

③ 菌をやっつける
ほとんどの菌が熱に弱いので、しっかり加熱すれば死んでしまいます。
・肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)は中心部までよく加熱する。
 卵は、半熟でなく完全に加熱する。
 大量に調理する場合には、熱の伝わりが悪いので生焼け・生煮え
 に注意が必要です。
・味噌汁やスープなど温め直すときも十分に加熱する。
・野菜も温野菜にして食べることが望ましい。
・使用後の調理器具などは、洗剤で洗い熱湯をかけ乾燥させる。

【もしも「食中毒かな?」と思ったら】
お腹が痛かったり、吐き気、下痢などの症状があるときには、食中毒を疑ってみる必要があります。
このようなときは、すぐに医者に行きましょう。素人判断は禁物です。