水難:兄弟死亡 ゴムボートから転落 福岡・遠賀川

6月12日午後3時40分ごろ、福岡県水巻町猪熊の遠賀川で「子ども2人がおぼれている」と目撃者の男性から119番があった。捜索にあたった県警機動隊員が兄弟2人を相次いで引き上げたが、意識はなく、同夜までに死亡が確認された。川でゴムボートで遊んでいるうちに、風にあおられ転落したとみられる。

 県警折尾署によると、死亡が確認されたのは、近くに住む町立水巻中学3年の谷口敦さん(14)と、兄で無職の浩介さん(16)。それぞれ、水深約5メートルの川底で発見された。

 同署などによると、2人は午後2時ごろ、中学1年の三男(13)、小学2年の長女(7)とともに遊びに出かけ、2人だけで川岸からゴムボートで川に出発した。ゴムボートは幅1メートル、長さ1.5メートル。この日量販店で買ったばかりだった。ボートには釣りざおが残っていたという。

 現場は遠賀川下流の御牧大橋から川下へ約300メートル。国土交通省遠賀川河口堰(ぜき)管理支所によると、事故当時、河口付近では瞬間的に10メートルを超える強い風が吹いていたという。当時、北九州地区など福岡県沿岸部には強風注意報が出されていた。

 遠賀川右岸の河川敷はゲートボール場など公園になっている。近くを散歩していた北九州市若松区の会社員の男性(42)は「バス釣りをしている人をよく見かける。子どもたちの姿はあまり見ないので、事故を聞いて驚いている」と話した。

(出典:毎日新聞ホームページ)

2010/06/23