参加者の安全を高めるための「セイフティートーク」

< リスクマネジメント講座 No.19 >
参加者自身による判断でしなければならないことが自然体験活動中には多くあります。
指導者は経験から予め、想定されるリスクや対処方法などを参加者に事前に説明しておく事で、危険回避できることが多くあることは以前にもこのコーナーで書きました。
指導者の経験から予見されるリスクは、初めての参加者や初心者にはプログラムを始める前にセイフティートークとしてマニュアル化して伝えることにより、参加者の経験不足からのケガや事故を防ぐ努力をすべきです。
同じ場所や同様のプログラムを繰り返し実施する場合には、小さなトラブルやケガや事故をスタッフ間で検証して作り変えて進化させていきます。安心な施設や安全なプログラム提供者になるべくこうした努力必要です。
具体例を一つ紹介します。私達の活動で川のツアーにて昼食時にボートから降りる際、河原で転んでケガをする人が多くありました。この事例をみんなで考えてみるとスタート地は河原が砂地で昼食に上陸する場所は漬物石位の大きさの石が多い場所でした。川の水辺は常に水量が変化して石が水の中にあったり、乾いたりしています。そのため、コケが付着していたり滑りやすくなっています。
毎日活動するガイドにとっては当たり前のなれたことですが、初めて水辺の活動をする人が砂地で滑りにくい場所からボートに乗って、滑りやすい石の河原に上陸して足を滑らせてしまっていたのです。
その後、事前説明に「河原の石はとても滑りやすいので注意してくださいね」するとともに、昼食時にボートから降りるときには声掛けをすることを決めました。
野外では活動場所が日常生活と違うことを認知してもらい自分自身の判断を高めてもらい事故やケガを防ぐセイフティートークは常に高める必要があり終わりはありません。

文 / 北 川 健 司
NPO法人 エヌエスネット

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2010/04/19